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「教職員評価制度」の学校・教職員・こども・父母への影響
「教職員評価制度」は学校・教職員・こども・父母にどのような影響を及ぼすでしょうか

「教育の5K=競争・管理・強制・効率・切り捨て」が一層進行し、
「人格の形成、平和的な国家及び社会の形成者の育成」をめざす教育を破壊します 

  教職員を評価する校長は教育委員会・教育長によって評価され、教育委員会・教育長は文部科学省によって評価されます。国家による教育への介入と教職員の統制強化が、トップダウンの評価を通して行われ、教育基本法改定の具体化が進められていきます。

( 1 ) 学校間の業績づくり競争が激化し、教職員も子どもも、一層、競争へと駆り立てられます  
全国一斉学力テスト・大学受験・資格検定・部活動などで目に見える実績を上げることが求められます。評価は1年単位で行われ、短期間で結果が出ることをやらなければなりません。学校予算の配分や学校統廃合がかかっているので、どの学校も死活問題です。
 全国一斉学力テスト・大学受験・資格検定などの成績を上げるために、競争と受験体制がますます強化されます。受験用の教育課程が組まれ、早朝・放課後・土曜補習が常態化します。夏休み・冬休みを短縮して授業を行う動きも強まっています。他方では、部活動も一層過熱し、勉強時間が確保できない状態におかれている子どもたちが多数います。
受験や部活動で実績を上げ、学校の名声を高める教師がよい教師とみなされ、教員同士の競争が煽られます。父母や子どもも激しい競争に巻き込まれ、偏狭な価値観に縛られます。親の経済力の格差が子どもの教育と学力の格差となる状況が深刻化します。自己肯定感を持てずに、悩み苦しむ子どもの数が増えると危惧されます。このような状況では「人格の形成、平和的な国家及び社会の形成者を育てる」教育の実践は、ますます困難になります。
  
( 2 ) 管理が強められ、力で強制することが横行します
業績づくり競争の中で、「優秀な生徒」の獲得競争が私立学校も巻き込んで展開され、学校間の序列化が進み、格差が拡大していきます。学習に意義を見いだせない子や学習意欲を低下させられた子どもが多い「困難校」では、生活指導で目に見える実績をあげることが要求されます。手っ取り早い方法は管理を強め、力で強制することです。子どもの内面を見ようとしないで管理を強めれば、問題行動は潜行します。いじめ、不登校、非行、犯罪が増加することは必至です。
「公共の精神」「愛国心」教育が上から降ろされ、生活指導だけでなく、教科指導の中で教えることも強制され、達成度を評価されるようになります。国による「学校評価」も行われ、国が決めた目標に従わせる評価制度の下で、教職員の専門性と自主性は奪われ、もの言わぬ、権力に従順な教師づくりが進行します。「戦争する人づくり」がジワジワと進められます。
さらに、競争から脱落した人は低賃金労働につかざるを得なくなり、食べていくこともままならない事態が予想されます。そのような人たちを「軍隊」が吸収し、「戦争する国」が着々と作られていく危険性があります。

( 3 ) 多忙状況が進行し、効率優先となり、手間ひまがかかることは切り捨てられます 
「教職員評価制度」は、自己評価シート・職務遂行表作成、面談など、年間を通じてあらたな業務を作り出し多忙状況を進行させます。効率よく仕事をこなすことが求められ、効率性が重要な評価基準となっていきます。学習が遅れた子どもや、問題を抱えた子どもに関わっても、目に見える成果がなければ低く評価されたり、叱責される恐れさえあります。手間ひまがかかることは切り捨てられます。子どもたち一人ひとりに向き合ってじっくり関わること、ホームルームでの集団作りや行事への取り組みの中で、子どもが自から成長していく機が熟するのを待つという本来の教育活動が、ますます遠ざかります。

( 4 ) 「指導が不適切な教員」は切り捨てられ、排除されていきます
教員免許更新制が導入され、10年毎に年30時間の講習が義務づけられます。評価の低い「指導が不適切な教員」はやめさせられます。それは「国家権力の言うとおりに指導をしない教員を不適切と評価」してやめさせる制度だとも言えます。不当な支配に対してきちんとものをいう教職員組合員の排除につながる危険性があるものです。
「教職員評価制度」は、大幅給料カットで生活を脅かし、「金が欲しければ、国の言うとおりにせよ。」と強要する、非倫理的な制度なのです。

( 5 ) こども・父母・教職員の信頼関係が崩されます  
教職員の評価結果を子どもや父母はどのように受け止めるでしょうか。子どもの学校の校長・教職員の評価の善し悪しは、気になるに違いありません。子どもや父母を蚊帳の外においた評価には、納得できないのではないでしょうか。教職員の一面的な評価や、教職員間の競争と協力共同関係の亀裂が、教育活動の障害となる恐れもあります。そのようなことが絶対に起こらないようにしなければなりません。
  県教育委員会は「開かれた学校づくり」として、アンケートをとったり、情報を公開する事を決めています。しかし、私たちの目ざす「参加と共同の学校づくり」は、県教委が掲げるものとは異なります。教育の当事者である子ども・父母・教職員が主体的にかかわり、双方向の話し合いを踏まえて行うものです。話し合いで築かれた強固な信頼関係が、学校づくりの土台となるのです。

このような深刻な影響が予想される「教職員評価制度」に、ほとんどの教職員が反対しています。管理職にも、反対者や疑問・懸念を抱いている人が少なくありません。ところが県教育委員会は、今年度の試行校の結果が出ないうちに、4月から全校試行を行おうとしています。おかしいと思いませんか。
| 教職員評価制度 | 22:12 | comments(0) | trackbacks(1) |
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最近、あちこちの報道ですぐ格差、格差と問題を単純化しているように感じるているのは私だけなのかなぁ?親の年収が子供の学歴を決めるという話ですが、これが語られる時って単純に塾に通わせる経済力の有無で進学先が決まるというのが暗黙の前提で語られていると感じ..
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